求められる人材像
企業や組織が求める人材というのは、おかれている環境や状況よって変わってくるものです。画一的に「こういう人」と定義することは難しいことです。似たような人材ばかりが集まってしまっては、せっかくの組織の強みがいかせなくなってしまいます。いろんなタイプの人材がうまく刺激し合い、不得手な部分は互いが補い、得意なことに集中することで人がいきてきます。
自社にとって、従業員にどういう人材になって欲しいのかを明確に伝えていくことは意味のあることです。自分たちが求められている人材像がイメージできれば、それに向かって努力もしやすくなります。
”こなす人 ”より ”創る人 ”
高い業務処理能力をもって、仕事を迅速かつ正確にこなす従業員は、生産性を高めてくれる貴重な人材です。しかし、こなす仕事そのものが減ってくる状況では、せっかくの能力もいかすことができません。国際競争が激しさを増している中で、仕事そのものを ”創り出す ”人材が求められてきます。
仕事のベースになるコミュニケーション能力
仕事をすすめる上で、コミュニケーション能力は欠かせないスキルです。社内外を問わず、コミュニケーションなしで業務に取りかかることはできません。独断でやれば、失敗する可能性が非常に高くなります。直接、間接を含め、さまざまなかたちでコミュニケーションはとられています。わかりやすく、正確に、かつスピーディーにやることが求めらます。情報の誤りや遅滞があったり、まぎらわしい内容だと多くの時間ロスと機会損失が発生してしまいます。コミュニケーションが円滑であれば、組織は活性化してきます。それほど重要なことなのです。
日本経済団体連合会が公表している「新卒採用(2010年 3月卒業者)に関するアンケート調査結果」(2010年4月発表)によると、企業が新卒採用の選考にあたって特に重視した点として、81.6%の企業(回答企業全425社、全25項目より5項目選択)が「コミュニケーション能力」をあげています。これは7年連続の1位で、その重要性を物語っています。ちなみに 2位以下は「主体性」60 .6%、「協調性」50.3%、「チャレンジ精神」48.4%となっています。
こんな人材像?
部下をもつ管理職には強いリーダーシップや指導力が併せて求められるのでしょうが、一般の従業員は下記のような人材像をモデルにすればどうでしょうか。
- ・受信、発信双方に長けたコミュニケーション能力をもっている
- ・自分で考え、行動できる主体性をもっている(自律従業員)
- ・困難にも果敢に取り組むチャレンジ精神をもっている
- ・上記の裏づけになるような夢をもち、自ら成長しようと願っている