人材育成の目的
なぜ人材育成に注力しなければならないのか、漠然とした理由はみんな何となく理解しているのではないでしょうか。しかし、企業がおかれている状況や組織での立場などによっても ”その目的 ”はさまざまでしょう。大きな隔たりはないのでしょうが、微妙なニュアンスの違いのせいで、せっかくの組織の力を削ぎかねません。人材育成は何のためにやるのか、認識を合わせておく必要があります。
背景にあるもの
国際競争が激しさを増していく中、労働集約型の仕事はどんどん海外へ流失しています。さらに機械化や IT化が進み、人に替わって効率的な仕事をこなしていきます。これからの厳しい環境を乗り越えていくためには、「人にしかできないこと」を磨き上げて、付加価値のある商品やサービスを開発し、差別化を実現していかなければなりません。
出発点は「従業員のため」
「人にしかできないこと」は、状況を把握し、どうすべきかを考え実行することです。決められたことをテキパキとこなす「自立従業員」から、自ら考え果敢にチャレンジをする「自律従業員」への飛躍が求められています。
自律タイプが増えることにより、商品・サービスの開発力向上、営業力の強化が期待でき、ひいては売上増・利益増という業績アップにつながっていきます。このとき、「業績アップ」が人材育成の最大の目的になってしまうと、なかなか従業員のモチベーションを高めることは難しくなってしまいます。
実際、「業績アップ=会社のため」というイメージを持つ人が大半ではないでしょうか。結果的には業績アップにつなげるのですが、出発点は「従業員のため」にすべきです。「従業員のモチベーションアップと能力向上」が人材育成の目的におかれていれば、やる気も生まれてくるものです。ぜひ、これを共通認識として盛り込んでください。
人材育成の目的(例示)
- 有能な人材を採用するため(自分を高められる企業にしか人は集まらなくなる)
- 新商品や新サービスを開発するため
- 新たな需要を開発するため
- 製品品質を向上させるため
- ISO等の認証取得 /更新のため
- コンプライアンス対策のため
- 技術力向上のため
- 営業力を高めるため
- 専門能力を高めるため
- 生産性アップのため
- 社外へ PRするため
- 魅力ある会社にするため
- 企業価値を高めるため
- 売上を増やすため
- 利益を増やすため
- 業績を向上させるため
- 社会貢献するため 等々
従業員全員が共有できるような目的を設定しましょう